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茶道の世界では、茶碗の格付けとして、1位が楽焼(京都)、2位が萩焼(山口県萩市)、3位が唐津焼(佐賀県唐津市)ということで、『一楽・二萩・三唐津』と言われてきました。

現代のハイブランドに例えると・・・
ヴィトン、シャネル、グッチみたいなものでしょうか?想像しやすいようにカジュアルにスポーツブランドに例えると、ナイキ、アディダス、プーマみたいなものでしょうか?角度を変えて電化製品に例えるとアップル、ソニー、パナソニックみたいなものでしょうか?

逆にわかりづらい?失礼しました。何はともあれ、そんな3大ブランド茶碗をご紹介します。

01

楽焼

黒楽茶碗(俊寛)〈長次郎作/〉文化遺産オンラインより引用

わび茶の世界を完成させた千利休が、楽家の初代、長次郎に作らせたのが始まりです。400年以上の伝統あるブランドということになります。
釉薬の色は黒(黒楽)と赤(赤楽)があり、特に黒楽には図柄はほとんどなく、全面が黒い釉薬ですっぽり覆われていて胎土は全く見えません。黒楽は、黒一色で、ただ無があるのみで、禅の世界に通じるものがあります。まるで宇宙とか、あらゆるものを吸い込んでしまうブラックホールと評す人もいるくらい究極の茶碗とも言えます。ろくろを使わず手づくねで成形するのが特徴です。

02

萩焼

萩焼茶碗 〈十五代坂倉新兵衛作/〉 坂倉新兵衛HPより引用

萩焼は陶土と釉薬の具合によって生じる「貫入」と使い込むことによって生じる「七化け」が特徴です。貫入とは器の表面の釉薬がひび割れたような状態になることで、七化けとはその貫入が原因で、長年使い込むとそこにお茶が浸透し、器表面の色が次々と味わい深く変化していくことです。藩主毛利輝元の命によって、朝鮮人陶工、李勺光、李敬の兄弟が城下で御用窯を築いたのが始まりとされています。

03

唐津焼

絵唐津茶碗〈十三代中里太郎右衛門作/〉中里太郎右衛門HPより引用

1580年代頃、焼かれたのが始まりとされています。その後、豊臣秀吉による朝鮮出兵の際、朝鮮陶工を連れて帰り、その技術を取り入れたことで唐津焼は生産量を増していきます。唐津港から積み出される唐津焼は京都・大阪をはじめとする西日本に広がり、焼き物のことを総称して「からつもの」と呼ぶほどにもなりました。
絵模様のあるのを絵唐津と呼び、シンプルでモノトーンの絵がかっこいいです。


【まとめ】

今も昔も数寄者たちは、ブランドものに弱いんだなぁとつくづく思います。意匠だけでなく、そのブランドの裏にあるストーリーのようなものも含めて楽しんでいるのでなかろうかと思います。その窯の歴史やその茶碗を歴代誰が持ってきたのか、銘の由来とか、箱書きは誰が書いたとか、語れるストーリーがあればあるほど、価値があがるというブランドの本質は、今も昔も変わらないのではないでしょうか?