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通販でも、名品と言われる茶碗が買える。

ネット通販でも名品と言われる茶碗の数々が変えるのはご存じでしょうか?もちろん「写し」の作品になります。「写し」とは、いわゆるレプリカのことですが、茶道の世界では単なる偽物とか猿まねとかではなく、実は高い精神性がそこに隠されています。茶碗のような物質そのものは、いつか必ず滅びてしまいます。ただしカタチという概念そのものは、滅びることがなく永遠と存在することができるのです。いつか滅びてしまうものを大事するということと同時に、カタチという概念を後世につないでいく。それがこの「写し」なのです。

そんなありがたいモノであるこの「写し」ですが、もう一つありがたいことがあります。
はい、値段です。オリジナルの何百分の一とか何千分の一の値段で買うことができるのです。(実際にオリジナルは美術館にとかにあって買えないでしょうけど)

ということで、珠玉の名品コレクションをご紹介します!

01

黒楽茶碗「大黒(おおぐろ)」 by 長次郎

【本物】黒楽茶碗(大黒)〈長次郎作/〉http://www.museum.city.nagoya.jp/より引用

利休が名作と見立てたと伝えらる7椀を利休七種茶碗と言います。その一つがこの大黒です。利休の思想が集約されたTHE楽茶碗と言えるのでないでしょうか?すべての無駄や誇張を排したその静寂な姿が逆に圧倒的な存在感を醸し出します。

02

黒楽茶碗「万代屋黒(もずやくろ)」 by 長次郎

【本物】黒楽茶碗(万代屋黒)〈長次郎作/〉http://www.kyotodeasobo.com/より引用

映画「利休にたずねよ」で実際に使われた茶碗です。400年前の茶碗にお湯入れて大丈夫なの?ということはさておき、過剰な歪みを排し、高台からすっと伸びたこの丹精な姿が利休形の典型だそうです。
見れば見るほどほれぼれしてしまうスマートな立ち姿です。利休から娘婿の万代屋宗安に伝来したと言われています。

03

黒楽茶碗「俊寛(しゅんかん)」 by 長次郎

【本物】黒楽茶碗(俊寛)〈長次郎作/〉文化遺産オンラインより引用

利休自らが名付けた数少ない茶碗のひとつとされています。
薩摩の弟子が利休に長次郎の茶碗を所望してきたので、三碗送ったところ、この一碗を残して、他の二碗を返してきました。
3人で島流しになり、2人は許され1人だけ残された俊寛の故事に因んでこの銘が付けられたと言われています。
重心の低さと真っ直ぐに伸びる胴のバランスが本当に美しいです。

04

黒楽茶碗「禿(かむろ)」 by 長次郎

【本物】黒楽茶碗(禿)〈長次郎作/〉http://www.omotesenke.jp/より引用

利休が晩年まで手元に置き、一番のお気に入りだったそうです。
「禿」(かむろ)と名付けられた由来は、「はげる」と読むので、頭がはげるくらい愛した茶碗だったという説と、「禿」=子供という意味もあるので、我が子の様に愛したからという説がありそうです。
いずれにせよ、本当に大好きだったようです。ふっくらした丸みが口元ですぼまって手の中にすっぽりおさまりそうです。褐色のまだらな感じがシブいです。

05

赤楽茶碗「無一物(むいちもつ)」 by 長次郎

【本物】赤楽茶碗(無一物)〈長次郎作/〉文化遺産オンラインより引用

前述の大黒や万代屋黒に通じる利休形。釉がかりが薄く土の質感も感じられます。
長次郎の初期の作品と考えられ、赤楽茶碗の代表作であり、その後の陶磁史上、茶道史上においても重要な作品であることは間違いないと思います。
松平不昧公所持の中興名物としても有名な茶碗です。

06

黒楽茶碗「雨雲(あまぐも)」by 本阿弥光悦

【本物】黒楽茶碗(雨雲)〈本阿弥光悦作/〉文化遺産オンラインより引用

桃山時代から江戸時代にかけて活書家・陶芸家・芸術家としてマルチな才能を発揮した本阿弥光悦 の作品です。
胴の黒釉が雨雲のように見えますし、上下の景色が豪雨の雨脚とも見立てることができます。
それからなんといっても口回りの造形が特徴的です。ソリッドに削られたであろうそれは、微妙に 外側に沿ってすらいます。しかもギザギザしててこれ茶巾がひっかりそうですよね。

07

白楽茶碗「不二山(ふじさん)」by 本阿弥光悦

【本物】白楽茶碗(不二山)〈本阿弥光悦作/〉

こちらも本阿弥光悦の作品です。日本で2点しかない国宝に指定されている国産茶碗です。白と黒 のコントラスが特徴的ですが、高台から胴にかけてスコーんというこの力強さも魅力です。「雪景色の富士山」と「ふたつとない茶碗」という銘においても、成るべくしてなった国宝ということで ないでしょうか。


【まとめ】

いかがでしたでしょうか?珠玉の名品たちの歴史に思いを馳せながら、使うとさらに気分もあがります。カタチから入るのも悪くないなと思う今日この頃です。