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茶道史における3巨人。

茶道の世界で、絶大な影響力を示した茶人を3人上げよと言われたら、間違いなくその名があがるであろうお三方。
千利休、古田織部、小堀遠州。
三者三様にそれぞれが我が道を行っていて非常に面白いです。茶道というものは、形式ばったものという現代に生きる私たちの思い込みを見事に喝破してくれます。
既成概念にとらわれず、いかに自由でクリエイティブであったかを見せつけてくれます。まさに茶道史に残る大巨人たちです。
それでは紹介していきます!

Giant 01

千利休(せんのりきゅう)

堺の商人の子として生まれ、後にわび茶の完成者として、泣く子も黙る茶聖とも呼ばれます。子孫は茶道の三千家として続いています。天下人・織田信長と豊臣秀吉の両人に仕え多くの大名にも影響力をまちました。しかしやがて秀吉との関係に齟齬が生じ、最後は切腹へと追い込まれます。

Giant 02

古田織部(ふるた おりべ)

戦国武将の茶人。利休の弟子代表のような存在で七哲の一人です。利休が大成させた茶道 を継承しつつ自由で奇抜な気風を好み、茶器製作・建築・庭園作庭などにわたって「織部 好み」と呼ばれる一大流行を安土桃山時代にもたらしました。漫画「へうげもの」の主人公。

Giant 03

小堀遠州(こぼり えんしゅう)

江戸初期の大名で茶人。幼くして利休に仕えた後に古田織部に茶道を学びます。繊細さや 優美さをわび茶の中に取り入れる「綺麗さび」と呼ばれる茶風を築きます。作庭家、建築 家としてもその名を日本中に轟かせていきます。遠州の茶の湯は、遠州流として今日まで続きます。

 

それでは、3巨人たちのそれぞれの好みの特徴について見ていきましょう。


茶碗


千利休

黒楽茶碗(銘 大黒)〈長次郎作/〉http://www.museum.city.nagoya.jp/より引用

すべての無駄や誇張を排したその静寂な姿が逆に圧倒的な存在感を醸し出します。

 

古田織部

黒織部茶碗(銘 わらや)http://www.gotoh-museum.or.jp/より引用

ダイナミックにゆがみ、プリミティブアートのような図柄が織部の美意識を主張します。

小堀遠州

堅手十文字高台茶碗  http://www.enshuryu.com/より引用

薄手で精緻、端正なたたずまい。優美で気高さすら感じさせます。


茶室


千利休

不審庵(ふしんあん)http://www.omotesenke.com/より引用

直線的な天井と柱。ミニマルな美しさが醸し出されています。

 

古田織部

薮内家 燕庵(やぶうちけ えんなん) http://www.bs-tbs.co.jp/より引用

窓が多く解放感があります。柱も大きく歪み実に自由闊達な印象です。

小堀遠州

孤篷庵忘筌(こほうあんぼうぜん)http://www.kyobunka.or.jp/より引用

庭の景色を切り取るつり障子が創意を象徴します。茶室を船、庭を琵琶湖に見立てているそうです。


【まとめ】

ポイントをまとめると・・・
  • 利休の弟子が織部で、織部の弟子が遠州。
  • 利休が無駄を排したどシンプル、織部が自由闊達やりたい放題、シンプル方向を優美に洗練させた遠州。
  • 3人ともがこれまでになかった価値観をクリエイトし続けたということが巨人の巨人たる所以。

ということで、以上、3者3様の大巨人たちでした!